アニメ界一不憫な男
その昔「マクロス７」というアニメがありました。
って、最近見直したばかりなので、こちらをご覧の皆さんは、もう目にタコができてる名前かもしれませんが。
このアニメには、マクロスシリーズを通して最も不憫なキャラが出て来ます。
全アニメを見渡しても、彼より不憫な男はなかなか見当たらないくらいです。
今日、突然思い出して泣けて来たので、彼の不憫ぶりをご紹介したいと思います。
その男の名はフィジカ。フィジカ・Ｓ・ファルクラム少尉。
彼の何処が、ステーキを食べたかった男・柿崎速雄より不憫なのか。説明致しましょう。
初登場は第2話と早いです。
第1話でいきなり謎の船団と戦闘状態に陥った際、謎の攻撃を受けて日常生活すら不能になるほど気力を失ったドッカー少尉の補充要員として、マクロス７船団のエリート部隊ダイヤモンドフォオースへ配属されました。つまり、エリート。統合軍超エリート部隊の補欠の一番手なのだから超エリートと言っても過言ではありません。
その割に、影が薄い上自信もなく弱気なのは、上司と同僚に恵まれなかったせいでしょう。
なにせ隊長は、スキンヘッドに馬（あれ？ 龍だっけ？）のタトゥーを彫り込むというイカし(レ)た外見な上、ブリッジのお花ちゃん──オペレーターの可愛いお嬢さん達を侍らす豪傑・金龍大尉。
同僚はと言えば一見真面目な超堅物、その実、現代日本人なら大学生の歳でありながら中学生女子(14歳)を追いかけ回すロリコンで、人の話を全く聞かない猪突猛進男・ガムリン木崎中尉。
これでは常識人として、気弱とも思える慎重論に終始する羽目になっても仕方ありません。やたら押しの強い連中の陰になるのも仕方ありません、常識人としては。
毎日困った上司と同僚に囲まれて、時には同僚から訳の判らん相談されたり（しかも相談しておきながら人の話聞きゃしねー）、気苦労の耐えない日々を送っていたフィジカでしたが。
ある時マクロス７船団の統合軍は、市民達を捕獲しようとする敵の策略で、市民の大半が居住するシティ７から切り離されてしまいました。
守るもののなくなった市民達を心配し、一刻も早く合流しようと焦る軍人さん達。
ここまで来てなんですが、ネタバレが過ぎるのでこの先は追記にて。
そんな中、フィジカは一人佇み、木箱を手に宇宙を眺めて居ました。
見掛けたガムリンさんがどうしたのかと声をかけます。
フィジカは答えました。
「今日は子供の誕生日だったんです」
……Σ(ﾟДﾟ;)
おまえそんなポヤンポヤンしたなりで妻帯者だったのか！ 子供まで居たのか！！
彼の話によれば、現在妻子は漂流中のシティ７に居るとのこと。
木箱は子供の誕生日プレゼントにと手作りしたオルゴール。
子供は二歳になったけど、仕事が忙しくてあまり顔を合わせないフィジカの顔を憶えてくれない。
ガムリンは励まします。フォールドシステムも明日には直って、シティと合流出来る。そんな凹んだ表情したまま子供と再会したら、そんな表情を憶えられちゃうぞ。
フィジカはそうですよね〜とちょっと元気になりました。
明日には誕生日プレゼント渡さなきゃ、と。
……って、何もそんな、思っくそ死亡フラグ立てなくても……
さて、そこへ敵が襲って来、ダイヤモンドフォースも出撃します。
フィジカはお守り代わりとしてコクピットにオルゴールを貼り付けての出撃です。
敵の猛攻勢からシティ７はまだ敵の手には落ちていないだろうと推測する金龍大尉。その励ましで、ここで敵を倒せば妻子を守れるとフィジカも俄然張り切ります。
バトル７がトランスフォーメーションし、勝利を確信した瞬間。視界にオルゴールが入ったフィジカはそれを通し妻子へ語りかけます。
「もうすぐ帰るからな」
はい、死亡(>_<)
選りによって「敵が逃げ帰る寸前」に被弾、コクピット大破で死亡。
妻子に会えないまま死亡。
不憫にもほどがあります。
──が、これだけだったらまだ柿崎のほうが不憫でしょう。
その後、焼けただれたオルゴールを回収したガムリンさんは、フィジカの奥さんお子さんへ説明と形見（オルゴール）を渡すために会いに行きました。
公園で遊ぶ子供と見守るお母さん。
幸せそうです。
まだお父さんの、旦那さんの死を知らない彼らへ、ガムリンさんは説明しなければならないのです。
気も重いです。自分自身フィジカの死でショックを受けてもいます。（ついでにガムリンさん自身負傷して入院中なのに抜け出してる）
それでも、彼の最期と妻子への想いを伝えない訳には行きません。
意を決して声をかけようとします。
ところが。
その瞬間。
子供が「パパ〜」と叫んで見知らぬ男性へ駈け寄ったのです。
Noooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
子供を抱き上げる見知らぬ男性。微笑んで男性に寄り添う奥さん。
絵に描いたような倖せの構図です。
その男性が、世帯主のフィジカでさえあれば……！
居たたまれずにその場から逃げ出したガムリンさんは、形見のオルゴールを通し、亡きフィジカへ報告します。
「おまえの奥さんとお子さんは、無事だったぞ……っ」
これが第16話「戦場のオルゴール」のあらましです。
……思い出しただけで泣けて来ます。
何も日曜昼にやってるアニメでそんな昼メロ展開しなくたって！ あまりに推定の範囲外ですげーショックだったよ！！
しかも。
その後金龍隊長が、フィジカの死で凹む（と金龍は思っている）ガムリンさんを見かねて言いました。
「おまえはまだ独身だから判らないだろうが、フィジカの本当の悩みや苦しみはもっと深いところにあった」とかなんとか。
いやあんたも独身だろ。ってツッコミはともかく。（てか独身だよね？ あれで妻帯者だったら怒るぞ）
ちょっと待て。それってつまり、フィジカも知ってたってことなのかーっΣ(ﾟДﾟ;)
うわ〜〜〜〜〜っっっっっっ！！！
酷い……酷すぎる……こんな惨い目に遭ったアニメキャラは他に居ないに違いない（⊃Д`）
本放送時「戦場のオルゴール」を見た時には鬱になったものでしたが、気を取り直し、当時の彼氏に訴えました。
「不倫とかとは限らないし！ 大人の男の人はみんな『パパ』って呼ぶ子供居るし！」
（事実、友人の娘がそうでした。
ある時、友人が娘と二人でファミレスに入った時、隣りの席に居たカップルの男性に「パパ」と呼びかけたそうで。
友人談「人(カップルの女性)が般若に変わる瞬間を見た」
友人は必死で謝って説明したそうですが、修羅場が展開しかけてなかなか収まらず。
友人の娘が、トラブルと見てやって来た店員の男性にも「パパ」と呼びかけたことで、漸く納得してもらえたそうです。
ちなみに友人の娘の場合、大人の女性はみんな「ママ」でした。私は下の名前を呼び捨てられてましたが……なんでやねん）
さて昨年、DVD-Box を購入して見始めた頃、同居人がネットで「マクロス７」の情報を集めて言いました。
「LD のライナーで、父親の顔を憶えてない子供が単に通りすがりの男性を『パパ』と呼んだだけだって書いてあったって」
ほら！ ほらね！ 嘗て私が言った通りでしょ！！
しかし。
改めて見直してみたところ、「パパ」と呼ばれた男性は、上述した通り子供を抱き上げていた訳で。
それどころか「いい子にしてたか」なんて子供に話しかけていた訳で。
通りすがりとは到底思えない訳で……
きっとそのライナーは、あまりに不憫なフィジカを慮ったスタッフのミスリードに違いない(>_<)
スタッフにそこまで気を遣われる不憫さ。
正に不憫キング(>_<)
誰かフィジカに愛の手を(>_<)
尚もっと不憫なアニメキャラを御存知の方、いらっしゃいましたら教えてください。m(_ _)m
って、最近見直したばかりなので、こちらをご覧の皆さんは、もう目にタコができてる名前かもしれませんが。
このアニメには、マクロスシリーズを通して最も不憫なキャラが出て来ます。
全アニメを見渡しても、彼より不憫な男はなかなか見当たらないくらいです。
今日、突然思い出して泣けて来たので、彼の不憫ぶりをご紹介したいと思います。
その男の名はフィジカ。フィジカ・Ｓ・ファルクラム少尉。
彼の何処が、ステーキを食べたかった男・柿崎速雄より不憫なのか。説明致しましょう。
初登場は第2話と早いです。
第1話でいきなり謎の船団と戦闘状態に陥った際、謎の攻撃を受けて日常生活すら不能になるほど気力を失ったドッカー少尉の補充要員として、マクロス７船団のエリート部隊ダイヤモンドフォオースへ配属されました。つまり、エリート。統合軍超エリート部隊の補欠の一番手なのだから超エリートと言っても過言ではありません。
その割に、影が薄い上自信もなく弱気なのは、上司と同僚に恵まれなかったせいでしょう。
なにせ隊長は、スキンヘッドに馬（あれ？ 龍だっけ？）のタトゥーを彫り込むというイカし(レ)た外見な上、ブリッジのお花ちゃん──オペレーターの可愛いお嬢さん達を侍らす豪傑・金龍大尉。
同僚はと言えば一見真面目な超堅物、その実、現代日本人なら大学生の歳でありながら中学生女子(14歳)を追いかけ回すロリコンで、人の話を全く聞かない猪突猛進男・ガムリン木崎中尉。
これでは常識人として、気弱とも思える慎重論に終始する羽目になっても仕方ありません。やたら押しの強い連中の陰になるのも仕方ありません、常識人としては。
毎日困った上司と同僚に囲まれて、時には同僚から訳の判らん相談されたり（しかも相談しておきながら人の話聞きゃしねー）、気苦労の耐えない日々を送っていたフィジカでしたが。
ある時マクロス７船団の統合軍は、市民達を捕獲しようとする敵の策略で、市民の大半が居住するシティ７から切り離されてしまいました。
守るもののなくなった市民達を心配し、一刻も早く合流しようと焦る軍人さん達。
ここまで来てなんですが、ネタバレが過ぎるのでこの先は追記にて。
そんな中、フィジカは一人佇み、木箱を手に宇宙を眺めて居ました。
見掛けたガムリンさんがどうしたのかと声をかけます。
フィジカは答えました。
「今日は子供の誕生日だったんです」
……Σ(ﾟДﾟ;)
おまえそんなポヤンポヤンしたなりで妻帯者だったのか！ 子供まで居たのか！！
彼の話によれば、現在妻子は漂流中のシティ７に居るとのこと。
木箱は子供の誕生日プレゼントにと手作りしたオルゴール。
子供は二歳になったけど、仕事が忙しくてあまり顔を合わせないフィジカの顔を憶えてくれない。
ガムリンは励まします。フォールドシステムも明日には直って、シティと合流出来る。そんな凹んだ表情したまま子供と再会したら、そんな表情を憶えられちゃうぞ。
フィジカはそうですよね〜とちょっと元気になりました。
明日には誕生日プレゼント渡さなきゃ、と。
……って、何もそんな、思っくそ死亡フラグ立てなくても……
さて、そこへ敵が襲って来、ダイヤモンドフォースも出撃します。
フィジカはお守り代わりとしてコクピットにオルゴールを貼り付けての出撃です。
敵の猛攻勢からシティ７はまだ敵の手には落ちていないだろうと推測する金龍大尉。その励ましで、ここで敵を倒せば妻子を守れるとフィジカも俄然張り切ります。
バトル７がトランスフォーメーションし、勝利を確信した瞬間。視界にオルゴールが入ったフィジカはそれを通し妻子へ語りかけます。
「もうすぐ帰るからな」
はい、死亡(>_<)
選りによって「敵が逃げ帰る寸前」に被弾、コクピット大破で死亡。
妻子に会えないまま死亡。
不憫にもほどがあります。
──が、これだけだったらまだ柿崎のほうが不憫でしょう。
その後、焼けただれたオルゴールを回収したガムリンさんは、フィジカの奥さんお子さんへ説明と形見（オルゴール）を渡すために会いに行きました。
公園で遊ぶ子供と見守るお母さん。
幸せそうです。
まだお父さんの、旦那さんの死を知らない彼らへ、ガムリンさんは説明しなければならないのです。
気も重いです。自分自身フィジカの死でショックを受けてもいます。（ついでにガムリンさん自身負傷して入院中なのに抜け出してる）
それでも、彼の最期と妻子への想いを伝えない訳には行きません。
意を決して声をかけようとします。
ところが。
その瞬間。
子供が「パパ〜」と叫んで見知らぬ男性へ駈け寄ったのです。
Noooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
子供を抱き上げる見知らぬ男性。微笑んで男性に寄り添う奥さん。
絵に描いたような倖せの構図です。
その男性が、世帯主のフィジカでさえあれば……！
居たたまれずにその場から逃げ出したガムリンさんは、形見のオルゴールを通し、亡きフィジカへ報告します。
「おまえの奥さんとお子さんは、無事だったぞ……っ」
これが第16話「戦場のオルゴール」のあらましです。
……思い出しただけで泣けて来ます。
何も日曜昼にやってるアニメでそんな昼メロ展開しなくたって！ あまりに推定の範囲外ですげーショックだったよ！！
しかも。
その後金龍隊長が、フィジカの死で凹む（と金龍は思っている）ガムリンさんを見かねて言いました。
「おまえはまだ独身だから判らないだろうが、フィジカの本当の悩みや苦しみはもっと深いところにあった」とかなんとか。
いやあんたも独身だろ。ってツッコミはともかく。（てか独身だよね？ あれで妻帯者だったら怒るぞ）
ちょっと待て。それってつまり、フィジカも知ってたってことなのかーっΣ(ﾟДﾟ;)
うわ〜〜〜〜〜っっっっっっ！！！
酷い……酷すぎる……こんな惨い目に遭ったアニメキャラは他に居ないに違いない（⊃Д`）
本放送時「戦場のオルゴール」を見た時には鬱になったものでしたが、気を取り直し、当時の彼氏に訴えました。
「不倫とかとは限らないし！ 大人の男の人はみんな『パパ』って呼ぶ子供居るし！」
（事実、友人の娘がそうでした。
ある時、友人が娘と二人でファミレスに入った時、隣りの席に居たカップルの男性に「パパ」と呼びかけたそうで。
友人談「人(カップルの女性)が般若に変わる瞬間を見た」
友人は必死で謝って説明したそうですが、修羅場が展開しかけてなかなか収まらず。
友人の娘が、トラブルと見てやって来た店員の男性にも「パパ」と呼びかけたことで、漸く納得してもらえたそうです。
ちなみに友人の娘の場合、大人の女性はみんな「ママ」でした。私は下の名前を呼び捨てられてましたが……なんでやねん）
さて昨年、DVD-Box を購入して見始めた頃、同居人がネットで「マクロス７」の情報を集めて言いました。
「LD のライナーで、父親の顔を憶えてない子供が単に通りすがりの男性を『パパ』と呼んだだけだって書いてあったって」
ほら！ ほらね！ 嘗て私が言った通りでしょ！！
しかし。
改めて見直してみたところ、「パパ」と呼ばれた男性は、上述した通り子供を抱き上げていた訳で。
それどころか「いい子にしてたか」なんて子供に話しかけていた訳で。
通りすがりとは到底思えない訳で……
きっとそのライナーは、あまりに不憫なフィジカを慮ったスタッフのミスリードに違いない(>_<)
スタッフにそこまで気を遣われる不憫さ。
正に不憫キング(>_<)
誰かフィジカに愛の手を(>_<)
尚もっと不憫なアニメキャラを御存知の方、いらっしゃいましたら教えてください。m(_ _)m
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